健康な人がブライトライトを使用することでストレスをなくし、
  活力を改善することができるか。

担当者 : T. パルトネン      (以下a 及び b に該当)
  ジューク・ルーンビスト  (以下bのみ該当)

a.  精神医学部、ヘルシンキ大学、フィンランド
b.  精神面での健康を研究する部門およびアルコール研究部、
   国立公衆衛生研究所、フィンランド
冬季性感情障害ジャーナル


目的 :
日中オフィスで働く人々が冬期に起こる症状の度合いを測定し、体の様々な機能や活力、精神面や対人関係においてブライトライトが与える影響を分析。

内容と方法 :
1996年にIBM、ゼロックスおよびフィリップス・フィンランドの3社から約1,250人の調査対象を補充。
被験者は営業時間働く健康な男女。

実験内容 : ブライトライトの使用を4週間コースで2度行い、

(A)ブライトライトの不使用を4週間コースで2度行う。
(B) ABAB交差実験。

被験者は、1週間に少なくとも5日継続的に最低1時間、仕事場または自宅でブライトライトを使用。
実験者は実験する1日目にプレインターベンション・エクスペクテーション・アンケート(PEQ)およびシーズナル・パターン・アセスメント・アンケート(SPAQ)を記入。
被験者は実験を行う1週目と実験期間のそれぞれの4週間コース後に、心理的な徴候プロフィールおよびストレスを測定するストレスの徴候チェック表(SCL-90)、および36項目の健康調査 1.0 (RAND)を受けた。
前者で、SADの徴候がある患者と、実験者を含む一般の人のスコアーを比較。
後者は一般の人の健康面での変化を表す。

調査対象の特性(n=160)
平均年齢41.2歳(22〜62歳まで)
女性: 63%
男性: 37%。
冬期季節性感情障害徴候者: 48%
*フィリップス オリジナル ブライトライト

<除外対象>
進行性の目の病気、重い病気、アルコールや薬物の中毒性、および精神病を持った者。
(例:人格障害、精神的混乱)


活力(RANDテストの結果)


憂うつさ(SCL-90テストの結果)

結果 :
実験期間の4週目および12週目に調査した結果、ブライトライトの照射を繰り返すことで、活力が増し、憂うつな気分、対人関係が改善。
この結果は、季節に依存する症状に関する以前の得点に関連しない。


実験1週目に受けたプレインターベンション・エクスペクテーション・アンケートから活力、憂うつな気分、対人関係の改善は説明されない。よってこの研究の中でのプラシーボ結果に対する反論がある。
ブライトライトの使用によって起こった副作用は、8人の(12%)により報告され、その内の2人(3%)が副作用の原因で実験を辞退。

結論 :
冬期中のブライトライトの継続的使用は活力を改善し、憂うつさを減少。
調査対象だった会社は管理者および従業員はブライトライトの使用を続けている。


臨床の含意 :
冬期に屋内で働く健康な実験者にとってブライトライトの使用は活力の改善および精神的なストレスを和らげるのに効果的であることが明らかにされている。
大半の人にとってブライトライトを冬期に使用し、活力の改善および精神的なストレスを和らげるのに
効果的であることかどうかは研究中である。


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